【沢井美空】心動かされる作品と出会
って“好き”という感情を知ってほし

“人生を変えるような作品との出会いを体験した人に絶対聴いてほしい”と語る「WAKE ME UP!」は、国民投票イベント『SUGOI JAPAN Award』のイメージソング。“好き”の生むパワーとリンクして、人生を力強く彩ってくれる。
取材:清水素子

アルバム『憂鬱日和。』のインタビューの際、“私、毎日憂鬱なんです”とおっしゃっていましたが、そこから約1年経って少しは明るくなったりとかは…

ないですね(笑)。明るく振る舞うことは年々できるようになってると思うんですけど、芯のところは変わってないです。

そのわりに、今回のシングルはどの曲もポジティブで前向きじゃありません? しかも、とびきりキャッチーという。

タイアップありきで作った曲なので、そこから受けたイメージや影響が大きいんですよね。まず、表題の「WAKE ME UP!」はアニメや小説といったカルチャーの国民投票イベント『SUGOI JAPAN Award 2016』のイメージソングなので、大好きな作品と出会ったことで楽しくなったり、夢を見つけたり、でも時に辛いこともあったり…と人生が変わっていくさまを、自分の経験をベースに描いたんです。例えば、アニメのファンの方って、自分の好きなアニメが最終回になったら“もう、どうやって生きていこう!?”ってくらい、作品を愛してくださるんですよ。私も海外ドラマがすごく好きなので、長いシリーズが終わっちゃうと、すごい喪失感に襲われてしまうし(笑)。

でも、だからって“出会わなければ良かった!”とはならないですよね。

そうそう。本当に好きなものに出会った時って、喜怒哀楽がすごく激しくなるし、傷付くこともあるけど、そのほうが記憶に残るじゃないですか。それが糧になって私の場合は曲になり、みなさんの場合は経験になる。だから、今迷ったり、躓いたりしていても、絶対無駄にはならないから…という想いを込めて、最後に《楽しいだけじゃ すぐ忘れちゃうから》というフレーズを入れさせてもらいました。

そこが沢井美空ですよね。ハッピーだけでは終わらない。

楽しいだけの曲にしたら、私が書く意味がなくなっちゃいますからね。だから、楽曲もコード進行はちょっと寂しげにして。かつ、サビをロングトーンの高音で立てたかったので、Aメロは低いところでシンプルな動きにしたり。あとは、アレンジで派手さを出した結果、最終的にアッパーで明るい曲になったという感じです。恋愛にせよ、作品にせよ、胸の奥をグッと掴まれるような何かや“好き”と思える感情に出会ってほしいし、そこから自分が変わっていく体験をしてほしい…というのが一番伝えたいところだったので、MVでも真っ白で無機質な世界から、私がピアノを弾くと色が飛び出してカラフルになっていくという表現をしているんですよ。

なるほど。ちなみに沢井さんの場合、自分を変えた“好き”なものって、やはり音楽?

はい。だから、この曲に出てくる“きみ”も恋愛感情を抱いた好きな人ではなく、私から見た音楽のことなんです。そう思って聴いていただけたら、私が音楽に対してどんな気持ちで向き合っているのかも伝わるのではと思いますし、それぞれに好きな作品や人を当てはめて聴いていただけたら、より共感していただけるんじゃないかな。

なるほど! それで《きみがくれた夢》《きみがくれた傷》と歌っているんですね。一方、カップリングの「ヤマトナデシコ」は『Miss SAKE 2016』の公式テーマソングということで、琴の音が4つ打ちのダンスチューンに入っているのがオシャレです。

ミス日本酒を決めるイベントの曲を、17歳でデビューした私が作らせていただけるなんて、私も大人になったな!って感じですよね。“日本の良さを入れてほしい”という要望があったので、歌詞では四季の景色だったり、いわゆる“大和撫子”像からイメージを膨らませていきました。サウンド面ではオシャレなサウンドと琴の音を、いかに上手く取り合わせるかの塩梅が難しかったです。1回『Miss SAKE』の地区予選を見させていただいたら、お着物を着て歩く参加者のみなさんに、やっぱりオシャレ感を感じたんですよね。

《あなたは美しい》という潔いフレーズもありますが、この“あなた”が指すのは?

もちろん女性のみなさんです。女性に向けた応援歌って、実は初めてなんですよ。みんな大変な日々を生きているから、落ち込んだ時に聴いていただいて、また明日から頑張ろう!っていう活力にしていただけたら嬉しいですね。

とても心励まされますよ。そして、3曲目の「月灯り」は一昨年、雨宮天さんに提供した楽曲のセルフカバーですね。

去年9月のバースデーワンマンで、歌ってほしいカバー曲を募ったら、この曲が一番多かったんですよ。ちょっと驚きつつ、じゃあ、この機会に…と音源化を決めました。セルフカバーは初めてだったので、こんな段階にきたんだと嬉しかったですけど、歌は雨宮さんの歌声に合わせて裏声や高音を多く使っていたので、すごく難しかったです(笑)。

アニメ『アカメが斬る!』のエンディングテーマということで、強さの中の弱さを描いた歌詞も沢井美空らしく、かつ最後には前向きな想いが残るのが素敵です。

最後の《…今日だけ 泣いてもいいかな?》っていうのが全てですよね。夢や目標に向かって頑張って、強がってるけど、弱さを出したっていい。今後予定されているリリースイベントでは、弾き語りで披露すると思うので、生で聴く機会も楽しみにしてほしいですね。

そうして始まった2016年の目標は、すばり何でしょう?

自分が一番好きなのは、やっぱり曲の制作なので、もっとクリエイティブな地位を築きたいですね。まだまだクリエイターとしては若いですけど、若いから任せられないじゃなく、“沢井美空なら任せられる”と言ってもらえる存在になりたい。中学から毎日曲を書いていて、もう200曲くらいはストックがありますし、アッパーなダンスチューンから昭和歌謡まで何でも書いていきたいので、ぜひ発表する場をお待ちしています!
「WAKE ME UP!」2016年03月02日発売Sony Music Records
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • SRCL-8990~1 1700円
    • 【通常盤】
    • SRCL-8992 1300円
沢井美空 プロフィール

サワイミク:1993年9月16日生まれ、大阪出身のシンガーソングライター。“音楽で気持ちを表現したい!”という気持ちから、作詞作曲活動を開始。聴き手の心に訴えかける歌詞、美しい旋律、耳に残る柔らかな歌声が魅力。11年5月にシングル「あたし、今日、失恋しました。」でメジャーデビューを果たし、13年6月に待望の1stアルバム『センチメンタル。』を発表。その後、TVアニメ『キルラキル』のエンディングテーマ「ごめんね、いいコじゃいられない。」など、アニメタイアップなども手がけるようにもなり、15年3月に2ndアルバム『憂鬱日和。』をリリースした。沢井美空 オフィシャルHP
Sony Music Records

OKMusic編集部

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