L→R maya(Vo)、Aiji(Gu)

L→R maya(Vo)、Aiji(Gu)

【LM.C】雨って身近でありながら、す
ごく神秘的でもある

活動10周年に伴う全国ツアーを断続的に行なっているLM.Cから届けられた最新シングル「レインメーカー」は、彼らの音楽的な奥深さが、新鮮に押し広げられている。じっくりと聴き込みたいマスターピースと言えそうだ。
取材:土屋京輔

「レインメーカー」は冒頭の変わったサウンドから新鮮さを感じられますが、いつ頃から制作を始めていたのですか?

Aiji
いつか出るであろうアルバムの制作をずっとしてて、その中で前作の「MONROEwalk」や今回の「レインメーカー」のレコーディングをしてたんですよ。それが去年の夏ですね。だから、まだシングルを出すことも決まってなかったと思いますし、今、自分たちが持っている弾の中からどれを選んで、どう撃っていくかということで決めた曲ですね。

その狙いはどのようなところに?

Aiji
ロック色が強くて、疾走感があって、エッジーで、わりと強い曲にしようかなって。そういう曲がアルバムの中にあるといいなと思って作っていた曲なんです。
maya
LM.C的に言うと、ありそうでなかった曲調、雰囲気だなとは思いますね。LM.Cという枠組みからのはみ出し方が、良いのではないかなという気がしてます。まぁ、10年もの活動の中でいろんなタイプの曲をやってきましたけど、自然と新しい幅になっている気がしますね。

ギターは極めてシンプルにしていますよね。そこにもクリエーターとしてのAijiくんの姿勢が表れていますね。

Aiji
最近、mayaはギターでガーッとデモを作ってくるんですけど、ダビングしたり、テンションコードを足したりするところまでやってくるんで、自分はなるべく引き算していこうかなとは思ってますね、バランスとしては。だから、わりと自分の曲の場合はシンプルに、アンサンブルを考える上でも、帯域も含めて、なるべくセパレーションがいいように積んでいくんですね。ただ、それは全ての楽器に言えることで、必要だから入れるんだという意識なんですよ。

そのデモを聴きながら頭に浮かんだのが、“レインメーカー”という言葉だったのですか?

maya
いや、まずはそろそろ歌詞をちゃんと向き合って書き始めたいなと思った日に、たまたま雨が降っていたという(笑)。雨というテーマはLM.Cにはなかったし、これには似合うなと。曲の展開としても、雨がだんだん強くなっていくようなイメージが沸いたんですよ。そこで“レインメーカー”というフレーズが出てきたんだけど、遡ると“いつか使いたいタイトルリスト”にも書いてあったんですよ。

同名の映画もありますし、ある種、宗教的なニュアンスもある“雨を降らせる人”の存在も知られていますよね。

maya
確かにタイトルだけを発表したあとの反応を見ていると、映画に関係するものなのかとか、何かの比喩なのかとか、いろんなとらえ方をしている人がいましたね。曲調についても、静かで、しっとりとしたものなんじゃないかなとか。ただ、自分としてはもっとシンプルで、“雨を呼び寄せる人”という意味で走り出しました。作詞ということで言えば、書き進めていく様子はわりと新しかったのかなとは思います。外で雨が降っていて、自分は部屋にいて、じゃあ雨って何なのかな?って、そこからストーリーを考えていくというか。

歌詞に込められたメッセージで言えば、これまでも書いてきたものに通じると思うのですが、この歌詞自体、ご自身でも新しい感覚があるのではないかと思うんですよ。

maya
曲の立ち位置とかが、今までのLM.Cから少しはみ出したところに収まったという言い方をしましたけど、歌詞もピンポイントで見ていくと、今までにない表現があったり…自分としては違和感はないんですけど、振り返ってみると、全体観としてもなかったものかもしれないですね。

ええ。mayaくんの歌詞は分かりやすさが前面に出ていることが多いですが、この歌詞はひとつ踏み込んでみないと真意が見えてこないような書き方をしていると思うんですよ。

maya
そうかもしれない。「MONROEwalk」もそうでしたけど、シングルを目指して書いてないところが、より今までと違う表現に踏み切らせる後押しになっている気がしますね。今までの10年の歴史があるから、気兼ねなく、迷いなく、いろいろチャレンジできるのかなとは思います。
Aiji
自分が曲を作る時って、映像的なところから入るんですけど、その意味で言うと、思い描いていた感じに結構近いんですよ。それにすごく詩的じゃないですか。ただの情景描写でもない。そこが今までにないところでもあるし、次のステップに来たなという感じはしましたけどね。文学的な表現も多いし、さっき仰ったように、一歩踏み込まないと分からない。でも、ちゃんと考えさせられるから、言葉が印象に残るんですよね。
maya
雨ってすごい現象だと思うんですよね。いろんな例えやことわざ的なものに引用されるほど身近でありながら、すごく神秘的なものでもあって。テーマとしては、結局、“生きてるって何なのかな?”ということですけど、それは特に最近歌っていることですよね。過ぎ去った季節の中で全てを肯定できる人は多くはないと思うんですけど、誰しも輝いていた瞬間や、何か希望が大きかった時期はあるとは思うんですよ。とはいえ、いつまで経っても答えが見つからない人生みたいなものと向き合っている時に、雨が降るとどう感じるのか…自分が置かれている状況や気持ち次第で、見える景色とかも変わるじゃないですか。

確かに世の中には雨を題材にした曲はたくさんありますし、それだけ人々に何かを訴えるものなのでしょうね。さて、活動10周年に伴うツアーを締め括る、10月16日の舞浜アンフィシアター公演が迫ってきましたね。

Aiji
2006年10月16日に初めて公の場で、LM.Cとしてライヴをやったという特別な日ではあるし、ファンのみんなにお祭気分で楽しんでもらえたらというのはあるんですけど、気持ち的には、その先に向かっている気もするし、LM.Cの未来が楽しみになってもらえるような日になればいいなと思ってますね。
「レインメーカー」2016年07月20日発売CJビクターエンタテインメント
    • 【初回限定盤(DVD+スペシャルブックレット付)】
    • VBZJ-26 5184円
    • ※10th ANNIVERSARY BOX仕様
    • 【通常盤】
    • VBCJ-30011 1080円
    • ※初回プレス分:トレーディングカード封入(全10種/ランダム封入)
LM.C プロフィール

エルエムシー:2006年10月に1stシングル「Trailers【Gold】」「Trailers【Silver】」でデビューした、Aijiとmayaのふたりからなるロックユニット。ビジュアル系バンドが出自である彼らだが、その音楽性はビジュアル系ロックパブリックイメージから解き放たれた、あくまでもポップで自由なもの。へヴィなギターリフやラップ、EDMなど、ビジュアル系という枠にとらわれないさまざまな音楽要素が混在した音楽性が彼らの持ち味である。LM.C オフィシャルHP

OKMusic編集部

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