【MeteoroiD】日本で何ができるんだ
ろうって気持ちがすごく向上しました
異国の地、アメリカで開催されたイベントでの初ライブも大盛況のうちに終えたMeteoroiDが次に挑むのは、9月1日に高田馬場AREAで行なわれる『ONEMAN LIVEマチbirthday「居場所の啓示」』。マチ(Gu)の誕生を祝したライヴを目前に、彼らが見せた変化とは──。
取材:後藤千尋
7月にはアメリカのオクラホマ州で行なわれたイベント『TOKYO in TULSA2016』に出演されましたが、バンド初の海外でのライヴはいかがでしたか?
幻鬼
僕以外のメンバーは海外自体が初めてだったので、逆に“どうだった?”って訊きたいですね(笑)。
マチ
音楽だけでオーディエンスとひとつになれたなっていう、言葉以上の体験ができたライヴでした。
朋夜
“言葉の壁を越えて音楽だけでどこまでやれるのか?”と考えて、やれるだけやるしかないなと思ったんですけど、1曲目が始まった瞬間にお客さんの熱がドン!っとあったので、不安も一瞬で吹っ切れました。最後まで熱が伝わってきましたね。
raLさんは?
raL
僕は飛行機にも乗ったことがなかったので、初の飛行機がアメリカ公演になるとは思ってもいませんでした。けれど、行ってみたら楽しかったし、ノリも違っていて、静かな曲の中で歓声があがるのも新鮮でした。テレビで観ていた好きなアーティストの海外公演でのリアクションが、目の前で繰り広げられていて。各々が自由に拳を掲げたり、携帯で動画を撮っていたり。でも、全員が楽しんでいるのが面白かったです。
飛行機は大丈夫でしたか?
raL
最初はビビッてたんですけど、途中からは外見てました。楽勝でした!(笑)
オクラハマ州はテイラー・スウィフトをはじめ、カントリーミュージックが有名な地ですが、ヴィジュアル系は受け入れられたのでしょうか?
朋夜
“カッコ良かった”って日本語で話しかけてくれるお客さんとかもいましたね。もちろん好みのジャンルなどは人それぞれだと思いますが、お国柄なのか、音楽に対しての楽しみ方が自由でした!
帝
国民性なのか、すごいフレンドリーで。日本だとトイレで並んでいる時に挨拶とかされないじゃないですか。でも、街中を歩いていた時にも話しかけてくれたりして。僕は海外ドラマが好きで見ているんですけど、その中に自分がいるようで嬉しかったです(笑)。
幻鬼さんはプライベートで海外に行ったことがあるんですよね。
幻鬼
15歳か16歳くらいの時にラーメン屋で働いていたんですけど、初めてプライベートで海外に行った時には、日本に帰ってきた次の日に仕事を辞めたんですよ!
そうだったんですか!(笑)
幻鬼
“ラーメンなんて作ってる場合じゃない!”って思うくらい衝撃的で(笑)。他のメンバーはどうなんだろう?って様子を見ていたんですけど、“また来たい”っていう感じが初日から伝わってきました。海外でライヴをするところまでコーディネートしてくれたスタッフさんとかも大変だったと思うんだけど、ありがたいなと思いました。
『TOKYO in TULSA2016』はどうでしたか?
幻鬼
現地のファンに僕らは何ができるんだろうって考えた時に、最高のステージを観せることが一番じゃないけど、そうなんだろうなっていうのが初日からふつふつ芽生えてきて。『TOKYO in TULSA2016』は名前に“TOKYO”って付くくらい日本にやさしいイベントで、何をやっても歓迎されるっていうのが前提だったので、いかにそれを上回れるかを考えました。
実際に初の海外ライヴをした感想を教えてください。
幻鬼
これが最後じゃなくて、いかに次につなげられるかっていうところをこれから意識していかなくてはいけないと思っています。これは外に出て初めて気付いたところで、日本で何ができるんだろうって気持ちが行く前よりすごく向上しました。
帰国された8月3日には「夏の83三角形」をリリース、そして9月1日に開催されるマチさんのバースデイ記念イベントにつながっていくわけですが、その前にリリースを記念して行なわれた“ヤミの日”のミニワンマンライヴについても教えてください。
帝
“おかえりなさい”みたいな雰囲気を味わえたのは嬉しかったし、日本に帰ってきて最初のライヴがこのワンマンだったので、普通のイベントより安心感がありましたね。
朋夜
ライヴの熱の入れ方は、まだお客さんに助けられている部分があるので、そこをもっと研ぎ澄ませるようにしたいです。“社会のヤミ”をテーマにしていたんですけど、“ヤミ”って忘れもしないし消えもしないし、これまで自分が辛い時に音楽を聴いて生きてきたから、そういう存在に自分たちがなれたらなって思ってます。
raLさんにとっての“ヤミ”は?
raL
ライヴが大好きなので、生きている場所って思っていて。ファンもそれは一緒だと思っているので、アメリカから帰国してライヴまでの空いている時間が“ヤミ”でしたね、僕は(笑)。
あはは(笑)。ライヴでは発散できましたか?
raL
爆発しました! ライヴは生だし、その場所に嘘は一切ないので。
これまでライヴを重ねてきて、やっぱりずっと応援してくれている人もいますもんね。
マチ
入場のSEが流れてる時から、歓声がすごかったよね。
マチ
その気持ちのまま日本でのワンマンを終えて、次に地方で対バン形式のイベントがあったんですけど、あんまり自分たちを出せなくて。いい意味で悔しさを残せたというか。
それは目当てのバンド以外にあまり関心がない人たちがいたってことですよね。他のメンバーさんも同じように悔しさはありましたか?
raL
やっぱりこっちを向いていないお客さんがいたのも感じたんですけど、そこは“オレたちはこんなもんじゃないんだ! まだまだやってやる!”って燃えました。
9月1日のバースデー記念ワンマンまで日も迫ってきていますね。
マチ
アメリカに行ってスター扱いされてたから、言い方が悪いけどちょっと天狗になってた部分があって…。9月1日のワンマンまで日があるわけでもないので、初心に返って見つめ直すきっかけにはなりましたね。
幻鬼さんが凱旋公演を終えて、日本でのライヴで感じたことは?
幻鬼
日本には日本の良さがあって、ライヴ中にずっとマチのことを見ている人もいるんです。すごくいい表情をしてて。これってマチが何が好きかとかを知ってるからこの表情ができるんだなって、嬉しくなったし。そういう子たちをアメリカで体感した場所へ連れて行ってあげたいなって思うんです。
なるほど。
幻鬼
どうしてもアメリカ公演の1000人と数百人のライヴハウスでの歓声は違うじゃないですか。日本でも1000人でライヴができるバンドにずっとなりたいんですけど、それをより強く思ったワンマンでした。