L→R うらら(Vo)、上口浩平(Gu)

L→R うらら(Vo)、上口浩平(Gu)

1年2カ月振りに放たれる新曲は、ふたりの“今”が詰め込まれた渾身作。この1年、彼らがさまざまなことを乗り越え、考え、見つけた答えは、素直にいい曲を歌い、聴いてくれる人への感謝を忘れず届けること。その真摯な気持ちをぜひ感じてもらいたい。
取材:吉田可奈

前アルバム『エメラルド』から1年2カ月という時間を経ての配信シングル「kodama」がリリースされますが、この期間、おふたりにはどんな心境の変化がありましたか?

上口
これまで流動的だったミーティングを、定期的に開くようになったんです。そうすることで今までよりも深く話し合い、お互いの“こんなことをしよう”という目的を定めることがすごく大事だということに気付いたんですよね。おかげで信頼関係も強くなり、足元が固まってきた気がします。

上口くんから見て、うららさんの変化も感じましたか?

上口
感じましたね。まず、ライヴがものすごく変わったんですよ。ちゃんとフロントマンとしてメンバーを引っ張っていこうという気持ちも感じるし、何よりライヴを重ねるごとに強くなっていると思うんです。
うらら
そこは自分でも感じますね。これまではずっと、上口くんに任せている部分が多かったんですよ。でも、自主イベントを始めるようになって、本当に細かいところまで自分が見ておかなくちゃいけなかったんだということに気付いたんです。さらに、“こんなに苦労して作り上げたなら、来てくれるお客さんを最高に幸せな気持ちにさせなくちゃ”“悔いのないようなライヴにしないと”って強く思ったんですよ。言ってしまえば、やっと“当事者”になった気がするんです。

あはは。素直ですね。

うらら
もちろん、デビューからの2年間もがむしゃらにやり切ってはきましたが、もっともっと濃くライヴをしたいと思い始めたんです。自分でもすごく成長したなって思います。

そのイベントライヴがあっての、1年振りのワンマンライヴ(7月10日@渋谷WWW)は、ものすごく成長を感じるものでしたよ。

うらら
ありがとうございます。私もあのワンマンをしてから、すごく自信が付いたんですよ。何よりも、私が引っ張っていけばいくほど、お客さんたちは付いてきてくれるんだって強く思えたし、見える景色も変わったんです。
上口
うららがそれだけ振り切っているのが分かったので、僕自身も余計なことを気にしなくてよくなったんです。その分、自分に集中できて、いいパフォーマンスができた気がします。うららの注文もまったくなくなったもんね。
うらら
そう! ライヴを始めた当初は、不安な気持ちをカバーするように楽器の音を大きくしてもらったり、モニターの位置を変えてもらったり、些細なことばかり気にしていたんです。でも、今は自信も付いたからか、多少音が聴こえなくても大丈夫かって思えるようになったんですよ(笑)。

お客さんに対しての態度もすごく親密になりましたよね。

うらら
半年ほど前に私が大好きな風男塾の握手会に行ってきたんです。そこでの神対応で、私自身がものすごく幸せな気持ちになれたんですよね。来てくれた人に、そんな幸せな気持ちにさせるアイドルってすごいって改めて感動して! 私も取り入れられることから始めようと思い、お客さんを楽しませるためにしっかり顔をみたり、いつもありがとうという感謝の気持ちを舞台からちゃんと伝えなくちゃって思ったんです。それは自分の中ではかなりの変化でしたね。

ブログやTwitterを見ていても分かるのですが、イベントに呼んだアーティストさんとの仲も急激に近くなって、すごくコミュニケーション能力が増えている気が…

うらら
そうなんです!(笑) 基本は人見知りで声をかけられなかったんですが、思い切って自分から行くようにしたら、みんなが好意的に受け止めてくれて。アーティストの友達が増えることで悩みを共有できたり、アドバイスをもらえたりと、プラスになることばかりだったんです。改めて自分の殻をやぶることの大事さを知りました。

環境の変化は歌詞にも変化として表れやすいと思うのですが、いかがですか?

上口
以前よりも、すごくナチュラルになりましたよね。
うらら
そうかも。昔の曲を聴くと、どこか独りよがりだなって思うことがあって…。でも、今はその部分がなくなったんです。きっと、ライヴでのファンの人たちがくれる言葉や、そこでもらえる自信が歌詞を変えてくれたんだと思うんです。そう言えば、いつもは歌詞を完成させても何度も書き直すのに、この「kodama」は一度も書き直していないんですよ。それは、曲の強さに引っ張られた言葉が並んでいるからで。そうやって出てきた言葉のほうが、ライヴで聴いてくれる人に響くことが分かったから。ライヴをたくさん重ねることで、歌詞の書き方さえも変わったことに驚きました。

「kodama」はものすごく曲に力がありますよね。

上口
去年の11月くらいに作った曲なんですけど、うららからの反応がすごく良くてびっくりしたんです。
うらら
上口くんは、どの曲もかわいいので曲に甲乙を付けられないタイプなんですよ(笑)。でも、私は客観的に見ることができるので、聴いた瞬間に“これはシングルでいく曲だ”と感じられるんですよね。
上口
僕もシングルを狙って作れればいいんですけど、本当にいいと思ったものばかりなので…(笑)。
うらら
そう考えると、私は絵が浮かんだ曲や、いいと思った曲に対して歌詞を書き始めるので、自然と上口くんの曲をふるいにかけていたのかもしれないですね(笑)。

それにしても、すごく素敵な曲ですね。

うらら
ありがとうございます。歌詞もすごく今の私に近いし、リズムに乗りながら切なさも感じられる、Salleyらしい特別な曲になりました。1年待たせてしまったけど、この曲を聴いて、いつもSalleyはここにいると安心してもらえたら嬉しいです。さらに、ライヴに来たら必ず好きにさせる自信があるので、ぜひ遊びにきてください!
「kodama」
    • 「kodama」
    • 2016.09.28
Salley プロフィール

サリー:2012年に結成。キュートで奔放なキャラクターが魅力のヴォーカルうららと、抜群の楽曲センスを持つ上口浩平からなるポップスユニット。13年5月にシングル「赤い靴」でデビュー。14年4月に1stアルバム『フューシャ』、15年7月には2ndアルバム『エメラルド』をリリース。ラジオ日本のレギュラー番組『Salley’s Studio.』が好評放送中!Salley オフィシャルHP
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OKMusic編集部

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