【瀬川あやか】聴いてくれる人たちが
私の曲を聴いたあと、少しでも元気に
なれるような曲を作りたい

ポップでポジティブな楽曲を多く届けてくれた瀬川あやかが大胆なイメチェンをし、1stアルバム『SegaWanderful』をリリース! これまでにない自分の多面性を見せたという本作には、新たな可能性に満ちた楽曲が並んでいる。
取材:吉田可奈

1stアルバム『Segawanderful』がついに完成しましたね。改めて聴いてみていかがでしたか?

初めてのアルバムなので、これまでのシングルで感じてもらっていたポップさやポジティブさだけでなく、クールやアクティブな面も表現できた一枚になりました。今作で“瀬川あやかってこんな曲も歌うんだ!?”と思ってもらえたら嬉しいですね。

自分の“表”の部分だけでなく、“裏”の部分もしっかり表現されているのですね。

そうですね。これまでも全てを出しているつもりだったんですが、ポップさの印象が強く、伝わり切っていなかったんです。そこで、より効果的に伝えるためにはどうしたらいいかを考えた時に、イメージチェンジが必要だと思い、髪を切り、ビジュアルから変化することに挑戦しました。その甲斐あって、“あれもこれも歌いたい”という我がままな性格が全面に出た…よく言えば“多面性”のあるアルバムになりました。

実際にあやかさんの性格面で、みなさんが思っているイメージとのギャップはどんなところでしょうか?

基本的にポジティブで明るいって言われるんですけど、私自身はめちゃくちゃネガティブなんです。ものすごい凹むし、悩むし、落ち込むし…でも、ずっとウジウジはしないんですよ。切り替えは人よりも早いかもしれないですね。

ネガティブな時に歌詞を書くと、言葉選びも変わってきますよね。

そうですね。でも、基本的にはネガティブな言葉を歌詞にしたとしても、最後はポジティブに仕上げたいんです。それが瀬川あやかの歌詞の芯。聴いてくれる人たちが私の曲を聴いたあと、少しでも元気になれるような曲を作りたいと思っています。

収録されている曲を全て聴くと、すごくかわいらしい恋愛観が印象的で、ちょっと奥手でモジモジするような感じが等身大に感じました。

その通りです(笑)。あるライヴの時にバンドメンバーから“せがあやのラブソングって、実は暗い歌詞が多いよね”って言われたんです。私自身、全然そう思っていなかったので、改めて読んでみたら“確かに!”と思って(笑)。特に「いつでも恋はカメレオン」では、ずっと“絶対に恋愛なんてしたくない”って言っているんです。でも、曲の最後には、いつか素敵な恋ができるよって背中を押す曲になっているんです。このネガティブからポジティブに振り切る速さは私の性格そのものなんだと思います。

レコーディングはどのように進められたのでしょうか?

「ベストフレンド」に関しては、今までとは違うレコーディングをしたんです。今までは楽器と歌は別々にレコーディングしていたんですが、この曲では新しい挑戦をしたくて、バンドに交じってレコーディングを進めたんです。歌が入るとサウンドのグルーブ感も変わるので、仕上がりが全然違うんですよ。歌声もバンドに引き上げられてどんどん変わるのが実感できたので、すごく素敵な体験ができました。

どの曲もすごくフレッシュで勢いにあふれていますよね。

実はこのアルバムに収録されている曲は、全てデビュー前に作った曲なんですよ。デビューの前後は節目で、どんどん曲の幅がいい意味で広がっていったんです。これからも新しい曲は作り続けられるけど、デビュー前の曲はもう二度と作れないから、最初のアルバムはその時にしか作ることができなかった曲だけで作りたかったんです。曲が7曲とちょっと少なめになっているんですけど、それはあえてで。“もうちょっと聴きたい!”って思えるくらいの曲数になっているので、次を楽しみにしてもらえると嬉しいです。

なるほど(笑)。確かに、初期衝動で作られた曲は今も作れるものではないですからね。

そうなんです。“大好き”というひと言をとってもテンションが違うし、持つ意味も変わってくるんですよ。

初めて作ったという「妄想スニーカー」には、そういった熱量を多く感じるのではないですか?

言葉選びも今とは違うし、譜割りも変わっているんです。今の私では作れない特別な曲になっていると思います。

そして、アルバムのタイトルが“SegaWanderful”なのですが、すごくいろいろな想いが込められていそうですね。

はい! 今作は名刺代わりになる作品にしたかったので、名前は入れたいと思っていたんです。私のキャラクターを英語にすると何かなと考えた時に、すぐ“Wonderful”が浮かんだんです。常に驚かせていたいし、何だか元気な雰囲気もあるし、すごくいいなって思ったんですよね。そこに名前の“Segawa”をくっ付けようと考えた時に、“Wo”の“o”を“a”にする案がスタッフさんから出たんです。その瞬間に“すごくいい!”と思ったんですよ。“Wander”には“歩き回る”という意味もあるので、この一枚で活動の幅を広げたいと思う自分の気持ちもしっかり反映されているので、これしかない!と。このタイトルを友達に教えた時に“駄洒落!?”って言われたんですが、ちゃんと説明したら“意味があって良かった”ってホッとされました(笑)。普段から駄洒落が大好きでよく言っていたので、完全にノリで付けたんだと思われたらしいんです(笑)。

あはは。さて、あやかさんと言えば看護師兼シンガーソングライターということが話題になっていますが、今も続けているのですか?

もちろん。今日も午前中に働いてきました(笑)。患者さんとのコミュニケーションと歌の活動って似ていないようで共通点があるんです。どちらも人と人とのつながりなので。私と接したあとにハッピーまではいかなくても、嫌な想いをしないで、できればいい気分になってもらえたらいいなと思っているんです。これからもできる限り“二足のわらじ”を続けていきたいですね。
『SegaWanderful』2017年03月15日発売PONY CANYON
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • PCCA-04502 2500円
    • 【通常盤】
    • PCCA-04503 2000円
瀬川あやか プロフィール

セガワアヤカ:北海道富良野市出身のシンガーソングライター。2011年、看護師になるために上京。15年2月の国家試験合格後は、看護師をしながらアコースティックギターとキーボードの弾き語りで年間50本を超えるライヴをこなす。16年6月、シングル「夢日和」でメジャーデビュー。“人の痛みや辛さはゼロにはできないけれど、 明日の辛さの感じ方が少しでも軽くなったら…”と昼は看護師として、夜はシンガーとして、明日への元気と心の栄養を処方する。瀬川あやか オフィシャルHP

OKMusic編集部

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