取材:土内 昇

絶対に「甘いキオク」をシングルにした
かった

2ndシングルは、どんな楽曲を出そうと思ってました?

『甘いキオク』はメジャーデビューする前からライヴとかでも歌ってた曲で、絶対にシングルにしたいと思ってたんですよ。1stシングルで『ひこうきぐも』を出したから、“次は『甘いキオク』!”って感じでしたね。この曲を作ってくださった方が、昔私のサポートをしてくださっていたことがあって、その人と一緒に食事をした時に“こんな曲があるんだけど”って聴かせてくれて…そのCD-Rはピアノと鼻歌だけだったんですけど、“すごくいい! 絶対歌わせて!”って(笑)。もう拝み倒して、提供してもらいました。メロディーを聴いただけで歌詞のイメージが固まったし…運命の出会いのような気になりましたね(笑)

メロディーから、どんなイメージが広がったのですか?

映像が浮かんだんです。水があって、それを眺めながら昔のことを考えているっていう。ここまではっきりとしたイメージが沸くことは、なかなかないですね。だから、歌詞もすぐに書けました。最初に映像が浮かんだ時に、ストーリーはできていたので、それを聴いてくれる人にも共感してもらえるように、どういう形で表現するか…もうそれだけでした。

失恋の深みの中でうずくまっている感じですよね。

そんな感じですよね。きっと誰もが体験していることだと思うんですよ。もちろん、私も。だから、この曲を聴いて、その時の気持ちが呼び起こされるんじゃないかなって思うし…自分も歌ってて呼び起こされることがありますからね。

イメージしたもの音で表現するために、アレンジャーにもリクエストしたりするのですか?

しました。ストリングスや自分のコーラスから出てくる浮遊感が水のイメージに合うかなと思ったので、そういうものを中心にアレンジしてほしいってお願いしました。あと、『ひこうきぐも』を出しているので、この曲も聴きやすくて、ふわっとした雰囲気でまとめてほしいって。メロディーがほんとに切ないので、それに合わせてしまうと、曲自体が重たくなると思ったので。

歌入れの時は、どんなことを意識して歌いました?

歌詞のストーリーとは、少し距離を置いて歌いました。以前は自分のためのように歌ってたんですけど、最近は語り部のような感覚で歌ってるんですよ。自分の気持ちが入りすぎるのは何か違うかなって。どうしても最初は水の底でうずくまっているようなイメージしか持てなかったし、それをどう表現すればいいのかもまったく分からなかったんですけど、だんだんいい距離が持てるようになっていきましたね。

コーラスも大きな役割を果たしてますよね。主旋に対して色を付けて、水っぽさと切なさを表現しているというか。

まさにその通りですね。主旋を生かすだけでなく、ひとつひとつのコーラスでも何かを訴えかけるような気持ちで録りました。自分がいろいろ音楽を聴いていても、コーラスって気持ちいいし、意外と耳に残るんですよ。きっと、コーラスが訴えかけるものも大きいと思うんですね。だから、そこを意識して、コーラスだけでもグッとくるものにしたいと思ってました。

カップリングも含め、収穫の多い作品になってそうですね。

いっぱいありますね。声の出し方もそうだし、歌詞も…『恋心』みたいに恋の始まりをテーマに書いたことも、『手紙』のようなグルーヴ感で自分の歌詞を表現したのも初めてだったし。たくさんいろんなものを見つけることができたので、少し成長できたかなっていう達成感がありますね。
koume プロフィール

コウメ:2008年4月にシングル「ひこうきぐも」でメジャーデビュー。ふわふわしたサウンドと体にやさしいキャラメルヴォイスが聴き手を包み込み、良質なポップス”と評価されている。 koume オフィシャルサイト

OKMusic編集部

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