取材:藤津 毅

「ハニー」を歌うと泣く子もいて、女子
泣かせの曲ですよぉ

「意識して曲を作っているわけじゃないけど、“世の中ハッピーだね”っていうような曲は書けない」と語る、現在20歳、岡山県在住の“まきちゃんぐ”とは? 幼い頃からピアノに親しみ、高校時代にガールズバンドを結成して、ライヴハウスで精力的に活動。2006年にはヤマハティーンズ・ミュージック・フェスティバルの全国大会に出場して、圧倒的な存在感を見せつけた大学生シンガーソングライターである。

なんでもデビューシングルの1曲目に収録されている「ハニー」は、高3の時に作ったとのこと。彼氏に甘えたいという素直な女の子の気持ちを綴った純度200%のナンバーに仕上がっている。感情的なヴォーカルで歌い上げていて、言葉のひとつひとつが胸を突き刺す。

ライヴではずっとやっていて、特に女子高生には人気なんですよね。スタッフの間でも評判が良くて、デビュー作に入れることになりました。この曲を歌うと泣く子もいたりして、女子泣かせの曲ですよぉ。サウンドに関してはアレンジャーさんに“切なさを大事にして作ってください”って伝えました。

美しいピアノの旋律を軸にしながら、控えめの音で構築されたストリングスがドラマチックな世界を生み出している。一方、2曲目「ちぐさ」では“ちぐさ 僕は君になりたい”と歌う。

この曲は大学に入ってからすぐに作りました。“ちぐさ”とは、大学の先生の名前から取ったんですけど、別に大学の先生になりたいとか、具体的な像があるわけではなくて。先生に“ちぐさ”ってどういう意味なのか聞いたら、千の草って書いて“ちぐさ”って読んで、雑草魂というか、踏まれても踏まれても生命力があるんだよって言われて、じゃあ“ちぐさ”で曲を書いてみようと。

まさにタイトル通りに、静寂感のあるバックミュージックに凛とした強さのようなものを感じさせる歌声が響き渡っている。そんな2曲を届けてくれた彼女、インタビューではゆっくりとした口調で不思議な空気感を漂わせ、今後の音楽シーンに一石を投じそうな予感を感じさせた。

まきちゃんぐ プロフィール

1987年9月19日生まれ、岡山県出身の女性シンガーソングライターまきちゃんぐ。学生時代からバンドを組むなど音楽活動を行なってきたが、05年12月よりソロでの活動を開始。06年11月、『ヤマハティーンズ・ミュージック・フェスティバル』全国大会に中国四国代表で出場。08年1月に<VAP>より1stシングル「ハニー/ちぐさ」でメジャー・デビュー。その後、映画『青い鳥』の主題歌に抜擢された「鋼の心」を含む2枚のシングルを経て、12月に1stアルバム『知と性、毛布とセックス』をリリース。

09年3月に実施した初のワンマン・ライヴ「ウェルカム トゥ ザ マキヂャングル」はチケットが完売するなど成功を収めた。09年6月に発売された4thシングル「愛の雫」は、10年に岡山県で開催される第25回国民文化祭『おかやま2010』イメージ・ソングに起用されるなど、中国地方での認知は大変高い。東京でのライヴ活動も回を追う毎ごとに観客動員数が増え続け、切ないメロディと飾りのない言葉が絶妙な歌たちを類稀な魅力ある声と歌唱力で我々に届けてくれる。まきちゃんぐオフィシャルサイト
公式サイト(アーティスト)
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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