【シゲル】上京して1 年、音楽の部分
で地に足が着いた
温かくやさしい歌声とフォーキーな心地良いサウンド。そんなシゲルの魅力が詰まったニューシングルは、彼にとっても意味のある作品となったようだ。
取材：石田博嗣
「風にのせて」の収録曲はピアノ１本やアコギメインですよね。それがいつものライヴのスタイルなのですか？
普段はギター１本で歌ってます。もともと弾き語りのトリオバンドで、コーラスをやってたんですけど、真ん中で歌ってみたいと思って…ほんとは、バンドでやってみようと思ったんですけど、初めて真ん中で歌うんで、弾き語りで練習してからにしようと。で、しばらくやってたら“これは別物だ！”って気付いたんです。でも、楽しかったから、そのまま行っちゃえって（笑）
本作に収録されている４曲はどんな曲なのですか？
候補曲はいっぱいあったんですけど、曲ごとにいろんなシゲルがいるんで、その中から“このシゲルとこのシゲルとこのシゲルを聴いてもらっておこう”と挨拶代わりにパッケージして…僕は全国で名前が知れているわけではないんで、まずは“こんなヤツなんですけど、よろしくお願いします”って手のひらを見せるような感じですね。
表題曲の「風にのせて」はどんなものを作ろうと？
CM在りきの曲で、作詞作曲はsolさんという方がされていて、僕は歌で参加するというスタンスだったんですよ。なので、CMのストーリや歌詞のイメージを自分の体に取り入れる…CMのストーリーが僕の身近であったことと一緒だったんで、自分とリンクするところもあって、素直な気持ちで歌えましたね。楽曲だけでなく、CMのストーリがあって、さらに僕の経験もあったから、歌の世界を僕の歌を通して記録していくという感覚がすごく強かったです。
他人の曲を歌うことにプレッシャーはありませんでした？
プレッシャーというか、やるなら全力でやらないと作品にも失礼だし…初めてCMのお仕事をさせてもらったんですけど、制作に携わる人たちを目の当たりにしたんですよ。ギター１本で歌だけをやっているとそういうのって見えないから、いい勉強をさせてもらいましたね。“これだけの人が関わってるんだ””って思えたし、CM在りきの曲で、僕は歌声担当っていうふうに、ひとつのパーツとして自分を見れたので、刺激になったし、ほんと勉強になりました。
他に今回のレコーディングで刺激的だったことは？
今回はアレンジャーさんがいて、“俺が聴いた感じだと、こんなふうなんだけど”ってやってくれたんで、それが面白いなって。いつもひとりでやっているから、他の人の自分の曲に対するイメージを聞かされると“こういうふうに聴こえるんだ!?”って思うし、“一緒に面白いものが作れる！”という感覚になるんですよね。音楽に携わっている人が身近にいて、いろいろ提案してくれるというのは、ひとりでギターを弾いて活動しているのとは別の面白さがあって、すごく刺激的でした。ギター１本ではなかなかこういう世界は作れないし。
本作を作ったことは、自分にどんな影響を与えましたか？
上京して１年ちょっとになるんですけど、やっと音楽の部分で地に足が着いて、“今から行きます。よろしくお願いします”的な部分が確認できたという感じかな？ ミュージシャンって最初はアルバイトをしながら音楽活動をしてるんで、みんなどこかで不安があると思うんですよ。“このままでいいんだろうか？”とか。どんなに強く“音楽をやるんだ！”と思ってても、そういう生活をしている以上は、絶対にゼロにはならない感情だと思うんですね。でも、今回のレコ?ディングをやってみて、改めて前に進みたいと思いました。
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