取材:黒田奈保子

これまでの“成長”と“現在”、そして
“先”が見える作品に

今回のシングルは前作以上に落ち着いた雰囲気に仕上がりましたね。

YASU
今回はすごくバラードを歌いたい気持ちが強くて。Vlidgeのkiichiさんが作曲してくれた音を聴いた時に、バラードの切なさもありつつ、カッコ良さも入った曲で“こういうバラードが歌いたい”って思っていた気持ちとぴったり合ったんです。歌詞の方は、テーマを“別れ”と初めから決めていたんで、そのテーマを自分の中で広げていって。“大人っぽい”というものは意識せず…さすがにもう25歳なんで(笑)。背伸びをすることもなく、良いものを作ろうと思ってできた歌詞ですね。
YU
メロディーと歌詞をもらった時に、それぞれがぴったり合っているなと思いましたね。楽曲的には浮き沈みがなくて、一定で最後まで進むところが、心地良く聴いてもらえると思います。良い曲ができたな、と単純に思いますね。

カップリングの「fly」はリード曲とは真逆なアッパーなイメージで一枚の作品ですごく充実さを感じました。

YU
まさか、シングルのカップリングで入るとは思っていなくって(笑)。最初はアルバムの中に入ればいいなと思って作っていたんです。アルバム用の楽曲の中にはバラードもあって、それがカップリングにいいかなって思っていたから、作った方としてはビックリですね(笑)。
YASU
僕はシングルでリード曲もカップリングも同じテイストの曲っていうのが嫌で。どちらかっていうと、リード曲がバラードなら、その曲をしっかり聴いてほしいんで、あとの曲は遊びっていうとおかしいですけど、D-51がこれまでやったことのない曲ができれば面白いかなと。特に「fly」はいろんなイメージが広がる曲だったんで。

確かに、音の作り方が今までにない構成ですよね。

YASU
ちょっと不思議ちゃんなんですよね(笑)。
YU
実は最初、AB型の人をイメージして作ったんですよね。AメロとBメロも全くタイプの違うもので、サビともイメージが違う…サビもふたつあるし。僕の中でのAB型の人っていろんな側面を持っているイメージがあるんですよ。そこでYASU に“AB型みたいなイメージで”って歌詞を頼んだらさすがに“AB型の人には悪いよ”って(笑)。でも、そこはYASUに任せて。
YASU
曲をもらった瞬間に、“AB型のことは無視しよう”って思いましたけどね(笑)。悪い意味ではないですけど、この曲ってあまり歌詞が重要ではないというか、中身がなくても遊べるなと。それくらい楽曲の面白さが目立つ曲ですね。

今回は初のベストアルバムも発売されますね。

YASU
全て同時期に制作をして、特にコンセプトを決めるということもなく。とにかく、お互いのソロを入れつつ。“飛び蹴”ってバンドと一緒に演った曲があって、昔からある曲でライヴでも何度か演ったことがあったんですけど、発表するにはこのタイミングしかないなと。
YU
“こういうアルバムにしよう”っていうよりも雰囲気を重視して、今までやってきたことを見せつつ、歌をしっかり聴かせられるものをやりたくて。ソロ曲は、今一番やりたいものがお互いに出せたと思います。
YASU
形的には“シングルコレクション”って言った方が当てはまるかなと思ったんですけど、これまでのシングル全てを入れつつ、なおかつ僕らが今やりたい、今できることを入れる方が、“ベスト”っていう言葉につながるのかなと。この一枚を通してD-51の変化を楽しんでもらえたらうれしいですね。

曲順もデビューから順に入っているのも成長が見られますよね。自分たちでも成長した実感はありますか?

YASU
成長というか、自分たちの意志的なものが固まってきたように思えますね。
YU
成長というか、“これだ!”っと思っていたものが形にできてきているように思いますね。これが成長っていうんですかね(笑)。今の実力ではできなかったけど、“次にはこうしたい、こうしよう”って欲が作品を出すごとに感じるので、毎回、違うものができていると思いますね。結局は成長してますね(笑)。

今後のD-51はどういう方向に向かって行くのでしょうか?

YASU
今は良い感じで、お互いに曲が作れるし、ゆくゆくは自分たちで曲も作って、歌詞も書いて、アレンジ面も首を突っ込んでいけるようになれ…なりたい…なります! 2008年にはもうなります!(笑)
YU
ふたりだからこそできる掛け合いとか、お互いが活かせる曲、声で遊べる曲をどんどんやっていきたいです。最近は、お互いの色も見せつつも、それぞれに遊べる曲ができているなと思いますし。「セピア」のような曲を軸にやっていけたらいいなと思いますね。
YASU
今は楽曲もたくさんできていて、今のD-51はデビューの頃と比べると、すごく可能性が無限な感じがしますね。“次はどんな曲をやろうか?”って決められないぐらいあってすごく楽しいですね。
D-51 プロフィール

沖縄のストリートから音楽シーンのメジャー・フィールドへ——。03年から数多くのストリート・ライヴをこなしてきた、沖縄を拠点にするヴォーカル・デュオ=D-51。彼らはそのライヴ経験に裏打ちされた実力(ふたりのヴォーカルのハーモニー/強く大きな歌唱力など)と爽やかで透明感のあるグルーヴィな歌声という華やかな個性を携えて、04年にメジャー・フィールドに飛び出した。インディ時代には既に彼らの才能の素晴らしさが口コミで広がっていき、全国区の人気を獲得するにまで至ったそう。メロディアスで涼やかなトラックと彼らのヴォーカルが描き出す世界には、リラキシンな聴き心地と仄かな熱情が入り混じっている。そんな世界を味わわせてくれるD-51の音楽に多くの聴き手が惚れ込むのもうなずけるというものだ。そんなD-51が発売したメジャー・デビュー・アルバム『ONENESS』にも彼らの魅力が目いっぱい詰め込まれている。オーディオ・プレイヤーの再生ボタンを押すと彼らが紡ぎ出すグルーヴの波が爽やかなそよ風に姿を変えて、柔らかく暖かく聴き手を包んでくる。なるほど、これが彼らの魅力なのだな。そう改めて実感する。彼らの歌声は“歌う喜び”に満ち溢れている。その想いを含めて、D-51の音楽はちょっと甘酸っぱくて、とっても気持ちがいい。D-51 Official Website
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OKMusic編集部

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