Michael McDonald

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    Michael McDonaldマイケル・マクドナルド

    AORというシャレっ気のある世界に足を踏み入れたことがある人で、マイケル・マクドナルドの名を聞いたことのない人はいないだろう。まゆげモサッ、くちひげモサモサッ——体毛のほとんどが顔に集中していながら、クールでスムーズな音楽を奏でるナイスガイだ。
    18歳の時セッション・ミュージシャンとして音楽業界入り。スティーリー・ダンのレコーディングに参加したあと、ドゥービー・ブラザーズに加入。マクドナルドは、ファンキー街道まっしぐらなドゥービーのサウンドにジャズやR&B、ラテンのテイストを注入して新たな音楽性を示したのである。進化の代償に、彼がファンキーなドゥービーを愛する往年のファンに嫌われたのは有名な話。
    そんな外野の声に身も心も疲れたのか、82年のバンド解散(後に再結成も)前後からソロ活動を本格化。特にドゥービーで追求しきれなかった創作意欲をぶちまけたような『思慕』(82年)は、最高傑作として名高いアルバムだ。渋みの効いたソウルフルなヴォーカル、都会の喧騒を洗い流すような洗練されたサウンド、それらが奇跡的に作用したアダルトなナンバーは、いつ聴いても色褪せない普遍的な魅力に溢れている。ソングライターとしての群を抜くセンスとサウンドの奥深さ(そして毛深さ)から鑑みるに、やはり彼は天才だと言える。

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