ようやくCD化されたマイケル・ディナーのデビューアルバム『ザ・グレート・プリテンダー』
マイケル・ディナーの名前をどれだけの人がご存知かはわからないけれど、本作『ザ・グレート・プリテンダー』は、イーグルスがデビューシングルの「テイク・イット・イージー」(’72)で作り上げたL.A産カントリーロックの完成形としてリリースされた傑作である。ウエストコーストロックを愛好する人間にとって、アルバムの完成度はもちろん、バックミュージシャンやノーマン・シーフによるジャケットデザインに至るまで文句のつけようのない仕上がりで、リリースされてから45年以上経つものの、愛聴し続けているファンは少なくない。ただ、アメリカでは大したセールスにつながらなかっただけでなく、著作権の所在が複雑なこともあって、これまで一度もCD化されなかったのだが、今年の1月に韓国のBIGPINKからようやくリリースされた。これは快挙と言ってもいいだろう。