【インタビュー】メトロノーム「20周年イヤーの節目を超えたけど落ち着いたりせずにまた攻めていきたい」
2018年結成20周年を迎え、アニバーサリー・イヤーにふさわしい精力的な音源リリースやライブ活動などで話題を呼んだメトロノーム。そんな彼らが最新マキシシングル「Catch me if you can?」を完成させた。メトロノームの新たな顔がパッケージされた同作は、より幅広い層のリスナーにアピールする魅力に溢れている。長いキャリアを誇る彼らだが、メンバー3名の音楽に対する意欲は衰えることがないようだ。
■“和風”という衣裳のコンセプトが出てきて
■楽曲にも和テイストを入れましょうという空気になった
――「Catch me if you can?」の制作に入る前は、どんなことを考えていましたか?
フクスケ:メトロノームは20周年イヤーという節目を超えましたけど、だからといって落ち着いたりせずに、ここからまた攻めていきたいという気持ちがあって。次のシングルでも、少しでも新しいことを採り入れたいと思っていました。
リウ:新しいことをやりたいというのは、メンバー3人ともあったと思いますね。ただ、制作に入る前はシングルを作るということと、いつもどおりメンバー3人の曲を1曲ずつ入れようということしか決まっていなかったんです。テーマやコンセプトは、特になかった。フリーな状態でそれぞれが数曲ずつ作って、それを持ち寄って選曲会議をした辺りで、“和風”という衣裳のコンセプトが出てきたんです。それで楽曲にも和テイストを入れましょうという空気になったけど、例によって細かい話をしたわけではなくて。今のタイミングで出すならこの3曲だねというものをピックアップして、シングルに入れることにしました。
シャラク:その結果、僕が作詞/作曲をした「Catch me if you can?」がリード曲になったんですけど、曲を作ったときはリード曲を狙おうみたいな気持ちは全然なくて。逆に、リード曲にならないつもりで、カップリングという意識で、リラックスして書いたんです。もう好き放題やろうみたいな感じだった。だから、これをリードにしようということになったときは、“えっ?”と思いました(笑)。
――「Catch me if you can?」は、“電脳ファンク”という雰囲気の歌中と明るく疾走するサビのマッチングが絶妙です。シャラクさんはその気はなかったようですが、リード曲にふさわしいキャッチーさやインパクトを備えています。
シャラク:この曲を作ったときは、言ってしまえばレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)をやろうと思ったんです(笑)。僕はリウさんのベースがメトロノームの強さの半分くらいを占めていると感じているんですよ。彼のベースには、すごく信頼感がある。それを全面に押し出した曲を作ろうというブームが何年かに1回やってきて、今回はまさにそういう状態でした。それで、サビはメロコアでいいじゃん…みたいな。そういうことをしているバンドもいるんだろうけど、少なくとも自分の周りにはいないから、やろうという感じでした。なので、今回この曲での中で一番こだわったのはドラムです。ドラムは打ち込みなんですけど、数多くのレッチリのライブ映像を観て、チャド・スミスをできるだけ再現したという(笑)。
――歌詞についても話していただけますか。
シャラク:歌詞は、2番Aメロで言っていることが主題になっています。自分はメトロノームのシャラクとして、こうあるべきというという理想像の正解がわかっていて、その自分が「だから、これだって。早くここに来いよ」と言っている。そういうことを歌っていて、だから“Catch me if you can?=鬼さんこちら”というタイトルなんです。