CHAR、ルイズルイス加部、ジョニー吉長のクールで粋なセンスに脱帽! PINK CLOUDの『KUTKLOUD』はスリーピースバンドの域を超える名盤だ。
本屈指のギターヒーロー、CHARが1978年に結成したジョニー・ルイス&チャー。彼らがのちの1982年にPINK CLOUDと改名し、リリースしたのがアルバム『KUTKLOUD』である。彼らにあまり触れる機会のなかった人はCHAR、ルイズルイス加部、ジョニー吉長という大御所揃いの顔ぶれに難解でハードルの高いロックをやっていたのでは?というイメージを持つかもしれないけれど、彼らの音楽はスリーピースバンドが好きな人には特に聴いてほしい。ギター、ベース、ドラム、それぞれの楽器に存在感があり、ユニゾンの醍醐味や、ジャムセッションのようなスリルがたっぷり味わえるし、ロックというカテゴリーにも縛られずに自由にシンプルに音楽を楽しむ3人のキャパシティのデカさにも触れられる作品だからだ。もちろん、ジョニー・ルイス&チャー時代にも傑作はあるのだが、このアルバムに収録されている曲は当時、ライヴでよく演奏されていたし、ライナーノーツによるとのちにCHARは“シングルの集まり”と評していたようだ。なお、『KUTKLOUD』は2001年にデジタルマスタリングが施され、再発売されている。