ザ・ルースターズ

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    99年にはミッシェル・ガン・エレファントらが参加してのトリビュート盤が制作された。”伝説の”とか”孤高の”とか”カリスマ”なんて、すっかり使い古された言葉だが。そういうフレーズがまさにシックリくる存在。彼らほど未だ強烈な残像と影響力をシーンとリスナーの間に残すバンドも、そういないだろう。
    79年、幾つかのバンドでの活動を経て大江慎也(vo)がブルースのカヴァーをやるべく花田裕之(g)/井上富雄(b)/池畑潤二(dr)と組んだのが始まり。80年にシングル「ロージー/恋をしようよ」でデビューし、同年にアルバム『ザ・ルースターズ』をリリース。当時はチャンプスの「テキーラ」、エディ・コクランの「カモン・エヴリバディ」、ボ・ディドリーの「モナ」など多くのカヴァーをやっていたが。それらをあくまで独自の——暴力的なまでにパンキッシュな解釈とスピード感で鳴らし、オリジナル曲でもいち早くスカの要素を取り入れるなど、彼らはハナから多様なものを消化した上でのオリジナリティを獲得していた。
    しかし、3rdアルバム『INSANE』辺りから大江が精神性体調不良に。それを反映してサウンドにも病的な陰影が漂いはじめた。60年代のブリティッシュ・ブルースやモッズ系のビート・ロックのテイストから次第にニューウェイヴの影響が濃いものへ。さらに、彼の入院中に池畑が脱退。灘友正幸(dr)/下山淳(g)/安藤広一(key)が加入するなどバンドも混乱。そんな状況の中、83年にはキーボードを大々的にフィーチャーした実験的要素の強い『DIS』をリリースする。本作を最後に井上が脱退。また、84年には、新曲とリミックス曲を収録した『Good Dreams』で、バンド名の表記もRoostersからRoosterzに変更。そして『φ(PHY)』リリースの翌85年、大江が正式に脱退を表明し、休養に入る。この後、花田/下山を軸にバンドは続くが、88年のアルバム『Four Pieces』を最後に解散へと至った。

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